≡きっかけ≡


 「あれ?ここ、何かついてるよ?」
  弘基が指したのは、優の胸元だった。
 「あ、ほんとだ。いつ付いたんだろ?」
  真っ白な優のTシャツの胸元には柄とは違う、小さな薄灰色のシミが付いていた。
  優は立ち上がって、キッチンへ行き、ティッシュを水で濡らして、そこを軽く叩く 
 ようにしてみたが、落ちない。
 「うーん、落ちないなぁ」
 「どれ?」
  弘基が寄ってくる。
 「何か、ちょっとぼこっとなってるぞ。貸してみ」
  優が素直にTシャツを離すと、その裾を下に引っ張り、ぴんと張って、弘基は汚れ
 を爪でひっかいた。
 「どっか、工事現場でも行った?」
 「あー・・・行ったかも。親父に届け物頼まれて」
  弘基は何度もとれない胸元の汚れを何度もひっかく。
 「工事現場に、よく白い、何かくっつけるもんがあんじゃん。あれっぽい」
 「・・・んっ」
  かり、と弘基の爪先が汚れ以外のものをひっかいた。
  何度も行き来する爪にむず痒さを堪えていた優は、その刺激に思わず、返事の声が
 跳ねる。
 「・・・取れない」
  跳ねた優の声に、彼の顔へ視線を向けた弘基は、再び胸元へ視線を戻し、ひっかく。
 汚れ以外の、Tシャツの布の下からぽっこり立ち上がっているものに爪が当るように
 汚れをひっかく。
  そのうち爪は、そちらだけをひっかくようになった。
 「・・・ふ・・・っ」
  嬲られ続けて、痛みとそれ以外をじんじんと伝える胸元に優は口を抑えた。恥ずか
 しくて、何も言うことができない。
 「取れないな。やり方変えてみようか」
  弘基はTシャツにぽこっとなっている小さなものを何度も摘み取るようにした。
 「・・・あ・・・」
 「あれ?こっちにも同じものがあるよ?」
  そう言って、弘基は胸の反対側に同じように立ち上がっているものを摘んだ。
 「・・・や・・・」
  胸元から伝わる感覚に涙目になっていた優は、その潤んだ目で弘基を睨んだ。目元
 が薄桃色に染まって、それは怖いというより、艶っぽい。
  ついに我慢できなくなって、恥ずかしさを抑えて、優は言った。
 「ひろ・・・そ、れ・・ちが・・・」
  その優の表情に、僅かに赤くなりながら、弘基は
 「え?あ、ごめん」
 と、優のTシャツをめくった。
  ぷつんと赤く染まった小さな乳首が立ち上がっていた。乳白色の肌にそれは非常に
 いやらしく、可愛かった。
 「ほんとだ。ごめん。赤くなってるね。すごい擦っちゃったから。痛い?」
  言いながら、弘基はそこへ唇を寄せた。
 「ひゃっ」
  ぺろりとそこを舐められ、優は声を上げた。
  弘基は何度もそこを舐める。腰砕けで椅子へ掛けた優の足の間へ身体を割り込ませ、
 左手で優の腰を支え、右手はもう一方の赤い実を弄っていた。
 「ごめん、こっちもだね」
  手と口を入れ替え、今まで指で嬲っていた方を舐める。
  美味しそうなその様子に、胸元以外からも眩暈のような快感が湧き上がってくるの
 を優は感じた。
 「ちょっと待ってて」
  弘基が離れたが、じんじんと痺れる胸元は冷房の空気の冷たさにさえ、感じてしま
 う。
  弘基が持って戻ってきたのは、蜂蜜であった。
 「何か、腫らしたときにはこれ塗るといいって、どこかで聞いたんだ。塗ってやるよ」
 「え、あの・・・」
  優が何か言葉を見つけるよりも早く、弘基は瓶の蓋を開け、黄金色にきらきらと光
 る、たっぷりとした蜂蜜の中に指を沈めた。
  それをたっぷりと掬い上げ、優の胸元へと垂らす。甘い匂いが充満した。
  捏ね回すように赤く立ち上がった乳首へと塗り付ける。何度も。
  溢れた蜂蜜は胸元から流れ、腹を伝って、ウエスト緩めのジーンズの中へと落ちて
 いった。
 「あぁ、流れちゃったね・・・」
  弘基は指を優の胸元に置いたまま、蜂蜜を追って、胸から腹へと舌を這わせた。
 「・・・や・・・」
  丹念に胸元以外の蜂蜜を舐め取った弘基はジーンズのボタンに手を掛けた。
 「Gパンの中にも落ちちゃったよ。キレイにしなきゃね」
  色っぽい弘基の目に、どきりと鳴った心臓を隠して、優は頷いた。
  ジーンズを脱がせようとする弘基に協力して、腰を上げる。膝に力が入らなくて、
 すぐに腰は椅子へ落ちてしまったが、ジーンズは下着と共にきれいに取り去られた。
  ウエストからの続きを舐め始めた弘基の頬に自分の快感を主張するものが触れそう
 になるのを、優は目をぎゅっと瞑って、見ないようにした。
  が、もう耐えられなくなってきている敏感な場所に息を感じて、驚いて、目を開い
 てしまった。すると、少し意地悪な顔をした弘基と目が合ってしまった。
 「・・・何でか、ここにも蜂蜜で濡れてるぞ」
  色も味も違ってるみたいだけど、と言いながら、それを咥える弘基を見てしまって
 恐れのような快感が走る。その部分からの直接的な快感もあって、優は身を震わせた。
 「・・・やっ・・・んっ」
  先程までよりも大きくなったぴちゃぴちゃという音に死にそうになる。
 「っ・・・は・・・・・・んっ・・・っ」
  更に大きく身を震わせ、優は弘基の口の中に大量の蜜を吐き出した。
  ごくりというそれを飲み込む篭った音に、優は血の気が引く気がしたが、また続け
 て舐め始める舌の感触に、すぐに血の気が上る。
  くるりと世界が回った気がした。
  血の気が上りすぎて、目が回ったのかと一瞬思ったが、それは弘基が椅子から床に
 抱き下ろしたせいであった。
 「ここも腫れちゃったな」
  笑いながら、弘基は蜂蜜の瓶を傾け、最初に蜂蜜を塗った場所よりも大きく立ち上
 がった箇所に蜂蜜を垂らした。
 「・・・・・・っ」
  ひやりとした感触に声を詰まらせて、背を仰け反らせた優の腰を持ち上げ、弘基は
 瓶を置いて、蜂蜜を垂らしたものの裏側を舐めた。
 「こっちにまで、流れて・・・」
  言いながら、優を裏返す。
  背中にまで流れてしまった蜂蜜を舐め始めると、敏感になった身体がびくびくと反
 応する。
  重力に従って、ぽたぽたと落ちる、混ざった二種類の蜜を前側から双丘の窄まりへ
 と運ぶ。まるで撫で上げるように、双丘の間を擦るように往復する指の、その感触に
 ついに優は泣き始めた。
 「・・・っく・・・・・・・っふ・・・・・ん」
  背中の蜂蜜を追って、指の往復する箇所まで辿り着いた弘基は、そこにも舌を這わ
 せた。そして、その奥まで・・・。
 「やっ・・あっ・・・」
  舌と蜂蜜の付いた指が何度も行き来する度に、身体の奥に火が点いたような感じが
 してきた。そのもどかしいような感触に優が惑わされていると、その様子を切羽詰っ
 たような感じで見た弘基は自分も服を全て脱ぎさり、優のものより大きく立ち上がっ
 た自分に蜂蜜をたっぷりと塗った。
 「優の中、すごく熱くなってた。中も腫れてるんだ。中にも蜂蜜塗らなきゃ…な」
 「う・・・んっ、塗って、あ・・・つい、よぅっ」
  涙で顔中をくしゃくしゃにしながら、訴えた優をほんのつかの間愛しそうに見つめ
 た弘基は、次の瞬間、優の中に蜂蜜を塗った己を差し込んだ。
 「ああぁぁっっ」
  悲鳴を上げる優の身体は、それでも『蜂蜜』で柔らかくなっており、その狭さに眉
 を顰めながらも、弘基は一気に根元まで貫いた。
 「ああっ・・・あんっ・・・あっ」
  弘基に優が慣れるのを少し待ってから、
 「たっぷり、塗ってやるよ」
 と囁いて、弘基は動き始めた。
 「はっ・・・・あぁ・・・・んっ・」
  ぐちゅっぐちゅっという、卑猥な音と共に何度も優の中へ蜂蜜を塗り込め、やがて
 弘基はそれ以上の量の蜜を優の中へと吐き出した。火の点いた箇所へ、それを感じた
 優もまた、ずっと蜂蜜を塗り込めていた弘基の手の中へと蜜を吐き出した。
 「・・・・はぁっ」
  二人揃って、ぐったりと床へ倒れ込み、少しの間、目を閉じていたが、やがて目を
 開けると、笑った。
 「治療終了」
 「お前のせいだろ!」
  弘基が言うと、優が怒った様子を作って返したが、雰囲気の甘さはどうしようもな
 かった。
 「いや、汚れのせいだろ?つまり、工事現場に行ったお前のせいだ」
 「何だと!」
  さすがにむっとした優に、慌てず笑った弘基は言った。
 「まあ、また俺が汚れ落としてやるよ」
 「落ちてねぇだろうが」
  ツッコミを入れておいて、優はTシャツを弘基の顔へ押し付けた。
  

-END-

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